アルテの開発趣旨

スマートフォンで利用するアプリで、最も多用するのがブラウザとキーボードだと言われます。このことは丁度「読み書き」ということに対応しています。「読む」事はブラウザの利用に相当し、スマートフォンの小さい画面にも適応することで十分読みやすくなりました。一方「書く」事はキーボードの利用に相当しますが、文字入力は得意な人と不得意な人の差が大きく、依然その差を解消する有効な改善がないままです。

 

スマートフォンの入力方式には、通常、フリック入力、QWERTY入力、ケータイ入力の3つがあります。QWERTY入力とケータイ入力は従来の入力方法をソフトキーボードに置き換えたものですが、タッチパネルへの適性を考慮したものではありません。一方フリック入力はタッチパネルの特性を活かして非常に優れた入力効率を実現しました。しかしながらその反面、習得の負荷が過大で、習得できた人とそうでない人の差が広がることにもなりました。

 

この資料によれば、フリック入力を選んでいるのは全体の約半数で、年齢では30代が一番少なく、その要因は「学生時代に従来型の携帯電話が普及した影響」と分析されています。一方こういう影響が無い10代ではフリックの利用が最も高く63%となっています。この約6割という数字は、10代の適応力が高いというよりも、むしろ最初からフリック入力に触れても、それでも選ばない人が4割近くいるとも考えられます。

(フリック入力を習得後に他の方式が良くて乗り換えたというより、フリック入力の習得を断念して他を選んでいるケースがほとんどと思われます。)

 

フリック入力を習得した人にとっては、新しい入力方式が出現したとき、フリック入力の優れた入力効率を超えたかどうかに関心を寄せがちです。一方すでに習得しているので、新しい入力方式が習得格差の縮小に寄与するかどうかには無関心になりがちです。しかし、これからスマートフォンを使い始める私たちの弟や妹の世代、あるいは子供たちの世代でも、3人に1人はフリック入力を習得できないとすれば、社会的にはより習得負荷が小さくて、格差の縮小に寄与する入力方式が必要ではないかと思われます。

 

アルテの文字配置は、従来のキーボードの文字配置に見慣れた目からすると、一瞥では慣れるのが大変と思えるかもしれません。しかしこちらのサイトでよく解説していただいていますが(旧アルテの解説記事です)、子音ゾーンと母音ゾーンが分かれ、頻度によって文字設定が適正化されているので、初めてフリック入力を覚える時のほど習得は難しくないはずです。

 

また、格差を縮小するということは、習得の負荷を小さくすると同時に、入力効率ではフリック入力に近いものでなければなりません。(いくら習得しやすくても、入力効率に差が開いたままでは結局格差は埋まりません。)

 

アルテは、スワイプ入力を活用して漢字語句などではフリック入力より速く入力できます。またアルファベットや数字が多く混じる文章でも有利かもしれません。ただ、速さでフリック入力を上回ることを目的としているのではなく、平均的な習熟度で比べてほぼ同等(文章次第で異なる程度)を開発目標としています。

 

多くの場合、人より優れたスキルほど(世の中でそのスキルに差があるほど)価値があります。しかし「読み書きは」誰もがなるべく高い水準で獲得できることが望まれる、社会的なスキルです。

アルテはスマートフォンでの「書く」ことから不得意を無くして、誰もが十分なスキルを獲得できるようにしたいという趣旨で開発しました。

 

アルテにご関心をお持ちいただけましたら幸いです。

 

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